「青?」

 

 

 

 

昼休みになり、直枝理樹は井ノ原真人と筋肉について談義をしつつ(真人が一方的にといった感じであるが)学食に向かい、昼食をとることにした。

「理樹、今日は何食べるんだ?やっぱりプロテインか?」

「いや、食べないし。それに学食のメニューないから。」

とてつもないボケをかましてくる筋肉質な幼馴染みを尻目にコロッケそばを頼む。鈴はあのコロッケが崩れてぐちゃぐちゃになるのを嫌がっていたけれども、それを食べてみた理樹は案外ハマってしまい、高確率でコロッケそばを頼むようになっていた。

カツ丼をがつがつと食べる真人を尻目に理樹は、ずずーっとそばをすする。

何故ご飯を食べている間って静かになるんだろうとそんなことを思いつつ、食事を終える。

 

 教室に戻る途中で中庭が見えるところになり、ふと中庭を見ると中庭の木陰には白い日傘を脇に置いて静かに佇んでいる少女がいた。

「西園さん、こんにちは。」

理樹がその少女、西園美魚に声をかけると、視線を落とし読んでいた紙から視線を離して、ブルーの髪を揺らし「こんにちは、直枝さんに井ノ原さん。」と会釈をした。

「あれ?今日は小説を読んでないんだね。」

いつも美魚は文庫本サイズの本を読んでいるのだが、今日は何故か少し厚く見えるぐらいの枚数のA4サイズの紙を持っていた。

「あ…これはその…」

理樹は何気なく、「いつもと違うね」ということを言いたかったのだが、何故かそれを指摘された美魚のほうはポッと顔を赤らめて、その分厚い紙束を胸元に抱きしめるように持った。

「もしかして、見ちゃいけないものだった…?」

理樹が申し訳なさ気に謝ると、左手でブンブンと手を振って否定をした。それでも美魚の顔は赤らめたままであった。

「いえ…その…自分で小説を書いてみたんですが、その…。」

「西園さんって小説も書けるんだね。自分が書いたのを見られるのって結構恥ずかしかったりするから、無理して見せなくていいよ。」

どうにも歯切れが悪いようだったので、理樹達は教室に戻ろうとした。が―――

「べ、別にそう言うわけではなくて…その、読んでもらっても趣味を理解できないかもしれないと思って…。」

 そういって美魚から無理矢理渡された紙束を理樹は受け取り読んでみた。

 

 

 

「なぁ理樹…別にこんな野郎でも構わないだろ?」

「きょ、恭介……ダメだって、僕たちは男なんだから男同士でこんなことできないよ。」

困惑した表情の理樹を包み込むように、恭介は抱きしめる。

「別に俺はノンケでも構わないぜ…?」

そう言いながら理樹の制服のYシャツのボタンを外していく。

「だ、ダメだって…」

抵抗しようとする理樹であるが、抵抗虚しく上半身をはだけさせられる。理樹が臆病に視線を恭介の方に見やると不敵な笑みを浮かべていた。

「抵抗しても無駄だぜ」

ドサッと恭介は理樹の上に覆い被さる。

「無理矢理にでもお前を奪ってやる。」

 

 

 

 「ってええぇぇぇぇ!?」

紙束の1ページを読んでみた理樹であるが、その中身に物凄く驚かされる。

「こここ、これって僕と…恭介?」

「えぇ…棗×直枝。」

ポッと顔を赤らめると理樹から紙束を受け取る。

「その、夏休みのお盆あたりにどうじ…本を自分達で作って売る催し事があって、私もそれに参加するんで、その…小説を書いてみて…。」

 美魚の脳内は髪の色のように、ブルーな薔薇が咲いているのだと理樹は心なく、ポッとしている美魚にあはは、と苦笑いを浮かべた。

 

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